中小企業の事業再生のために、日弁連が最高裁判所、中小企業庁等の協力を得て策定した特定調停スキームの運用が本年2月から始まっておりますが、中小企業がこのスキームを活用して金融機関から債務免除を受けた場合の税務処理について、日弁連が、本年6月27日付けで国税庁から回答を得たと発表しました(平成26年7月29日付け日弁連速報より)。

 債務免除を受ける際に主に問題となるのは、①債務者側の債務免除益課税、②債権者側の債権放棄に関する損金処理、の2点です。今回の国税庁の回答では、特定調停スキームによる債務免除の場合、①債務者の債務免除益課税に対しては、通常認められている当該決算期の前9期の繰越欠損金に加え、「再生手続開始の決定があったこと…に準ずる「政令で定める事実」が生じた場合」(法人税法59条2項)として、それより前のいわゆる「期限切れ欠損金」を損金算入することができる旨が明確になりました。

 また、②債権者側に関しても、このスキームによる債権放棄については損金処理が可能であることが明確となり、債権放棄に対する債権者側の障害の一つが取り除かれたと言えます。

 このように、中小企業の事業再生のための特定調停スキームが、税務上も、当局からお墨付きを得たことになり、債務者側、債権者側の双方にとって、ますます活用しやすくなることが期待されます。